札幌市役所は、大通公園沿いに本庁舎があります。
こんないいところで働いているのか!と羨ましがられるそうです笑
エリートが集まる札幌市役所ですが、社会人経験者採用はスタンダードな問題ばかりなので、実は意外とすんなり攻略できてしまうことで有名です。
ところが、いざ社会人枠を受験しようと思っても「何をしたらいいのか分からない!」
というのがホンネだと思います。
私も民間企業から公務員に転職した身ですが、社会人枠はとにかく情報が少なくて苦労しました・・・
そこでこの記事は、付け焼き刃ではなく盤石な対策で臨めるように「札幌市社会人採用試験 一般事務(行政コース)」の内容と対策について徹底解説します!
これを読めば他の受験者と大差をつけることができると思います。
札幌市役所社会人経験者(中途)採用の受験資格は非常にシンプル
中途採用は何かと条件が厳しいことが多いですが、札幌市社会人(中途)採用の場合は満たすべき受験資格はたった2点です。※「禁錮中ではない」など当たり前の要件は除く
「民間企業等における職務経験」は、週 30 時間以上の勤務を1年以上継続し、これらの経験が通算で5年以上であることを要します。
つまり、5年間連続して同じ勤務先にいなくても、1年以上の経歴を合算して5年以上ならOKです。
また、地方公務員法の平等取扱いの原則により、受験資格を満たしていれば全ての方に平等ですので、大企業に勤めている、難関資格をもっている、といったことで採用に有利になることはありません。
これは嬉しい!
また、職歴に縛りはありません。アルバイト、契約社員等も職歴としてカウントできます!
札幌市役所社会人経験者(中途)採用の試験スケジュール
例年、6月下旬に選考案内が始まり、12月に最終合格発表が出されます。
約半年の勝負だね!
令和6年度のスケジュールを基に採用内定までの流れを見ていきましょう。
- 6/19受験案内公開
- 7/1~7/19受験申込期間
- 原則インターネット申込。
- 最終日は午前13時まで受信有効なので注意!
- エントリーシートの提出(10/2〆)
- 9/291次試験(筆記)
試験(事務職) 時間 内容 基礎試験(択一式) 90分 30題必須回答 職務論文 90分 800字以内 - 11/9,101次試験(個別面接)
筆記試験の合格者のみ実施
- 11/151次試験合格発表
- 11月下旬~
12月上旬2次試験(個別試験)面接の成績と1次試験で書いた論文の成績で合否が決まる
- 12月中旬最終合格発表(採用内定)
長丁場ですが、意外とあっと言う間です!
択一試験、論文、個別面接だけという極めてスタンダードな試験です。
ほかの自治体の社会人経験者採用試験ではグループワークやSPI、プレゼンテーションもみられますが、札幌市の場合は基本に忠実なノーマルな試験なので対策しやすいです。
札幌市役所社会人経験者(中途)採用の倍率
札幌市は人気の自治体ですので、倍率はやや高めです。
しかし実際は、対策なしでぶっつけ本番の人や記念受験が多いため、実質倍率はかなり低いです。
年度 | 倍率 |
---|---|
令和5年度 | 28.8 |
令和4年度 | 23.2 |
令和3年度 | 26.0 |
令和2年度 | 32.4 |
令和元年度 | 32.6 |
また、経験者の採用人数が増えているので、昔と比べてかなり下がりました。
ですので、札幌市を目指す人にとっては大チャンスの傾向です!
また、それぞれの試験段階によって合格倍率が異なります。
年度 | 1次試験の倍率 | 2次試験の倍率 |
---|---|---|
令和5年度 | 13.5 | 2.1 |
令和4年度 | 11.6 | 1.9 |
令和3年度 | 14.8 | 1.7 |
令和2年度 | 9.9 | 3.3 |
ご覧の通り、1次試験ほうが圧倒的に倍率が高いです。
とくに、1次試験の論文が大きな大きな山場だと言われています。
では、どのように対策すればよいのか、確認していきましょう。
札幌市役所社会人経験者(中途)採用1次試験の傾向と対策
一次試験は、札幌だけではなく東京会場もあります。
里帰りや移住を考えている関東圏の人にとってはとてもありがたいですね!
第1次試験の内容は次の通りです。
試験 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
基礎試験 | 択一式30問 | 90分 |
経験論文 | これまでの職務経験に関する論文 | 90分 |
個別面接 | 筆記試験合格者のみ |
それぞれ詳しく見ていきましょう!
基礎試験
一般的な公務員試験とほとんど変わらないスタンダードな内容ですが、難易度は低めです。
したがって、 地方初級(高卒程度)もしくは地方上級(大卒程度) の過去問集を使って対策するのがいいでしょう。
公務員試験は、過去問や他の試験区分から問題を借りてくることが非常に多いので、過去問対策が最強の対策になります。
おすすめはやはり定番の「過去問350」もしくは「過去問500」です。
基本的には「過去問350」で十分ですが、万全を期すのであれば「過去問500」までやる方針でもいいでしょう。
もし「過去問500」までやる場合は、難問が多いので深追いしないよう注意してください。
まずは過去問を解いて感覚をつかみ、その上で参考書で補強する流れが鉄板です。
いずれの科目もそこまで難易度は高くないので、それぞれ1冊ずつで十分でしょう。
ちなみに参考書は必ず本屋で現物をめくりながら選んでください。
公務員試験は特に参考書によって「合う」「合わない」が大きいので、現物をみることが重要です。
私は最初、Amazonで高評価だった参考書を買って勉強していましたが、どうも合わなくて結局、本屋で中身を見ながら選んだ参考書に乗り換えました。
結果、スラスラと理解できるようになり、試験でもいい点数を取ることができました。
ですので、ネットのレビューや評価ではなく、自分の目で確かめることが重要です。
合わない参考書を使うのは、時間の無駄ですからね!
経験論文
札幌市において、合否を分けるのが経験論文です。
与えられたテーマについて、あなたの経験をどのように生かすことができるのかを論じます。
文字数は800字程度という指定があります。
過去3年の出題文をみてみましょう。
【令和5年度】
あなたが考える札幌市政の課題を1つ挙げ、その課題に取り組むに当たり、これまでのあなたの職務経験や得たスキルなどをどのように生かすことができるか具体的に述べなさい。
【令和4年度】
これまでの職務経験の中で、周りからの高い評価を得たと思う事例を挙げ、その要因について、あなたが取り組んだことや担った役割などに触れながら、具体的に説明しなさい。また、その経験を市政運営にどのように生かすことができるかについて、具体的に述べなさい。
【令和3年度】
これまでの職務経験の中で直面した最も大きな課題を挙げ、その課題を解決するために、あなたが行った取組や活用した能力について、事例を交えて述べなさい。また、その取組や活用した能力を、市政運営にどのように生かせるかを具体的に述べなさい。
例年、これまでの職務経験を札幌市でどう生かせるのか、あなたの考えを述べるよう求められています。
あなたの経験を表現し、どう生かすのか、800字程度にコンパクトにまとめる必要があります。
一見難しそうですが、中途採用は他の受験者の論文のレベルがそこまで高くないので、「落ちない」論文を書ければ大成功です。
落ちない論文を書くには、公務員試験の「経験者論文の型」を知ることが何より重要です。
「型」さえ知っていれば、大きく外れた論文を書くことはないからです!
「型」は定番のテキストがあるので、こちらで手本を見ながらインプットしましょう。
論文は試験本番のコンディションに左右されて不安定になりがちですが、「型」をバッチリ身に着けることで安定した論文を書けるようになります!
個別面接
基礎試験、経験論文の成績が合格ラインに達した人たちは次のステージの個別面接が実施されます。
筆記試験と同じく、東京会場もあります。
実は、この個別面接までたどり着くのが一番の難関といえます。
なぜならば、基礎試験、経験論文でガッツリと受験者が選別されるからです。
参考までに、令和5年度の基礎試験、経験論文の倍率は5.9倍。一方で面接の倍率は2.2倍です。
面接までたどり着けば一安心ということです
1次試験の面接は、いわゆる「ヤバイやつ」をはじく面接と言われています。
基本的な事項が問われる試験ですので、リラックスして臨んでください。
札幌市役所社会人経験者(中途)採用2次試験の傾向と対策
個別面接により主として人物評価を行います。
令和5年度は倍率2.1倍ということで、かなり倍率は低めです。
とはいえ、ここまで勝ち残った人物同士での勝負なので、油断はできません。
面接の秘訣
さて、そんな重要な面接ですが攻略の秘訣があります。
それは、札幌市が求める人材像に合致する人材だとアピールすることです。
求める職員像と合致している人材を採用しないわけがありませんよね?
「求める職員像」は知っているだけで切り札になるほど重要な情報なのに、社会人採用試験の場合、ほとんどの受験者は把握していません。
したがって、これを知っているだけで多くの受験者を軽々追い抜くことができます。
さて、札幌市が求める職員像は次の通りです。
札幌市では、民間企業等で培った職務能力や経験を生かし、札幌市政に貢献できる優れた人材を求めています。
出典:試験概要/札幌市(https://www.city.sapporo.jp/jinji-iinkai/saiyo/shakaijin/gaiyo.html)
○ 柔軟な発想や広い視野を持ち、問題解決に粘り強く取り組む方
○ 新しい時代の変化に即応できる先見性を持ち、行動力に優れた方
○ 専門的な技術や高度な知識を有し、即戦力として活躍できる方
○ 民間企業等ならではの対外折衝など、市の職員では得がたい経験を持つ方
これらは非常に重要なので、必ず覚えておいてください。知っているかどうかで非常に大きな差が生まれます!
なぜならば、公務員組織は「公表している事柄」についてかなりキッチリ忠実に実行しなければならないからです。
説明責任があるからですね
人事採用でも例外ではなく、公表している「求める人材像」は人事担当者に強くインプットされており、「求める人材像」に沿って忠実に採用をします。
このように「求める職員像」は知っているだけで切り札になるほど重要な情報なのに、社会人採用試験の場合、ほとんどの受験者は把握していません。
したがって、これを知っているだけで多くの受験者を軽々追い抜くことができます。
これに加えて、公務員試験でありがちな質問を一通り押さえておけば完璧です!
ぜひともここで学んだ内容を活かしてライバルを追い抜いてください!
予備校に通う必要はあるか?
結論から言うと、ほとんどの人にとって予備校は必要ありません。
実際に、中途採用された私の友人や知り合いの中で、予備校に通っていた人はいません。
理由としては、「予備校よりも優れた教材が市販されている」こと、「仕事をしながら予備校に通うのは時間の無駄」であることが挙げられます。
予備校はどうしても自社オリジナルのテキストを使わなければなりませんが、昨今は書籍やnoteなど市販の教材のほうがクオリティが高いんです。
また、中途採用は仕事をしながら勉強することが多いと思いますので、わざわざ予備校に通って授業を受けるのは非常に手間です。
予備校のメリットである「わからないことを聞ける」というのも、今ではインターネットで調べればほとんど解決します。
かく言う私も予備校に通わず合格できましたので、自信をもって予備校はいらないと断言できます。
ただし、時間とお金に余裕があって市販の教材では満足できない人は予備校を検討してみるといいかもしれません。
札幌市経験者採用のまとめ
数ある公務員職のなかでも、札幌市は非常に優良です。社会的信用が高く、生涯にわたって安定した生活ができます。
倍率がやや高いように見えますが、多くの受験者は付け焼き刃の対策で挑んできます。
この記事で少しでも論文や面接のコツを掴めたのならば、それだけで大きなリードです。
最後に、合格まで王道パターンをまとめます。
- 教養試験は「過去問350」(余裕があれば「過去問500」)を解いて感覚をつかみ、市販の参考書で補強する
- 論文試験は「職務経験論文の模範解答と解き方」で「型」を身に着ける
- 面接試験は「求められる職員像」をインプットし、「面接模範解答集」で補強する
自信を持っておすすめできる自治体なので、ぜひトライしてみてください!
それでは、あなたの合格と幸せな未来を願っています!