東京都庁といえば地方公務員の頂点。
仕事のスケールはもちろんのこと、社会的信用力、年収、待遇、すべてにおいて最高です。
ぼくも都庁の方と仕事する機会がありますが、とにかくスマートでカッコいいです!
そんな東京都庁ですが、数年前から就職氷河期世代の人だけが受験できる採用試験を行っています。
具体的には、昭和 45 年4月2日から昭和 61 年4月1日までに出生した人なら誰でも受験できます。
業務経験や資格は一切必要ありません!
しかも毎年、採用予定人数を上回る人数を採用しているくらい非常に力を入れています。
こうした状況なので、「チャレンジしてみよう!」という方が多いのですが、実際は「何をしたらいいのか分からない・・・」というのがホンネだと思います。
ぼくも民間企業(ブラックIT企業)から公務員に転職した身ですが、とにかく情報が少なくて苦労しました・・・
そこでこの記事は、バッチリと対策できるように「東京都庁就職氷河期世代採用試験(Ⅰ類B)」の内容と対策について徹底解説します!
これを読めば他の受験者と大差をつけることができます!
東京都庁就職氷河期世代採用試験(Ⅰ類B)の受験資格はたった1つ!
公務員の中途採用は何かと条件が厳しいことが多いです。
しかし!東京都庁の就職氷河期世代採用試験は受験資格がたった1つだけです!
※「禁錮中ではない」など当たり前の要件は除く
なんと年齢さえ満たせば誰でも受験できてしまいます!
しかもⅠ類Bは「大学卒業程度」という名目ですが、高卒でも中卒でも、なんなら学歴が無くても受験できます。
ですので大卒じゃなくても、自信があればⅠ類Bを受験して高い年収や待遇を狙うこともできます。
また、年収だけではなく昇任試験もⅠ類Bの方が早く受験できます。
違いは主に次のとおりです。
ちなみに、両方受験することはできません!
どちらか片方を選んで受験します
Ⅰ類BもⅢ類も、特別な資格は必要ありません。
職歴も学歴も一切問われません。
極端なことを言えば、一度も就職したことが無くても、小学校を卒業していなくてもOKです
ちなみに氷河期採用は、就職が難しかった世代に向けた救済措置の意味合いが強いので、素晴らしい経歴の人は逆に不利になる可能性があります。
そういった人は、「社会人経験者採用枠」を受けるべきという見方があるからです。
したがって試験の存在意義からすると、むしろ就職氷河期に苦しんだ経歴があるほうが有利という可能性があります。
初任給
公式サイトによると、初任給は1級29号給を基準にして、職歴などを考慮して決定します。
何言っているか分からないですよね笑
ざっくり言うと225,000円が最低ラインで、そこから職歴加算があるというイメージです。
最近は都庁の給料・ボーナスの基準が上がりましたので、一昔前と比べたらかなり高水準になりましたね。
民間の一流企業と同水準だと言われています
もちろん、この他に通勤手当、住宅手当、扶養手当なども支給されます。
しかも、都庁は福利厚生がとんでもなく手厚いことで有名です。
あまり知られていませんが、都庁職員だけの優待も数多くあります。
ぼくの知り合いの東京都庁の人は、毎年全国の保養所に格安で泊まっています!
都庁職員になったら思う存分使ってみてください!
東京都庁就職氷河期世代採用試験(Ⅰ類B)の倍率
ここ数年の倍率はこちらです。
年度 | 倍率 |
---|---|
令和4年度 | 30.8 |
令和3年度 | 52.3 |
令和2年度 | 81.5 |
ご覧の通り、倍率がシャープに低下しています。
東京都庁の人に原因を聞いたところ、次の2つが原因だそうです。
- 民間企業の採用が回復してきたので、氷河期世代がそちらに流れている
- 東京都庁が、採用予定人数よりも多く採用している
これによって、年々チャンスが拡大しています!
また、東京都庁の氷河期採用は、受験資格がとても緩いので、軽い気持ちで応募してくる人や記念受験がとても多いことで有名です。
しかも、この記事の1次試験対策パートでも書きましたが、都庁の氷河期採用のトラップにはまって脱落する人が多いと思われます。
ですので、実質の倍率はさらに低いと考えられます。
東京都庁就職氷河期世代採用試験(Ⅰ類B)の試験スケジュール
例年、8月に選考案内が始まり、12月に最終合格発表が出されます。
短期決戦です!
令和5年度のスケジュールを参考に採用内定までの流れを見ていきましょう。
- 8/10受験案内公開
- 8/10~8/21受験申込期間
- 原則インターネット申込。
- 最終日は午後3時まで受信有効なので注意!
- 10/221次試験
試験(事務職) 時間 内容 教養試験(五肢択一) 150分 45題回答 課題式論文 90分 1,000~1,500字 - 11/151次試験合格発表
- 12/22次試験
個別面接2回(同じ日の午前と午後)
- 12/152次試験合格発表
1次と2次の総合成績で合否が決まる
長丁場ですが、意外とあっと言う間です!
それでは詳しい試験対策に入っていきましょう!
東京都庁就職氷河期世代採用試験(Ⅰ類B)1次試験は教養と論文
第1次試験の内容は次の通りです。
試験 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
教養 | 五肢択一式、45問解答 | 150分 |
論文 | 与えられた課題に対する論文 | 90分 |
1次試験の成績は最終合格の判断にも使われますので気合いを入れて対策しましょう。
何といっても都庁は「論文」が非常に重要です。
なぜならば、都庁は「論文」の配点がとても高いと言われているからです。
ですので、教養試験はほどほどにして、論文対策に力を入れるのが勝ちパターンです。
教養試験
知能分野、知識分野、専門分野の3つのパートに分かれています。
3パート合わせて計45問を150分で解きます。
範囲が広い上に、氷河期採用の場合は働きながら勉強する人がほとんどなので、完璧に対策してきた人は見たことがありません。
それぞれの分野で半分正解できれば合格と言われていますので、ひとまずは半分正解を目指しましょう!
さてここで、絶対にやってはいけないことをお伝えします。
それは、3つのパートのどれかを捨てることです。
例えば、「専門知識パートはたったの5問しか出題されないので、勉強せずに捨ててしまう」、といったことは絶対にやめてください。
なぜならば、都庁の氷河期採用では「3つのパートそれぞれで一定基準の成績に達しない場合は即不合格になる」からです。
つまり、知能分野と知識分野で満点をとっても専門知識で基準に満たなければ容赦なく不合格になってしまうということです。
これを知らない人があまりに多すぎる!
もったいない!!
勉強時間を節約するために、5問しかない専門知識パートを捨ててしまいそうになりますが、実は絶対に避けては通れないのです。
都庁の氷河期採用は倍率が高めですが、実際はこのことを知らずに脱落する人がとても多いんじゃないかと思います。
ぼくの知る範囲でも、「3つの分野それぞれで一定基準の成績に達しない場合は即不合格になる」ということを知らない人が何人もいました・・・
ですので、これを知っているあなたは、それだけで一気に優位に立てたと思います!
それでは具体的な対策を見ていきましょう!
知能分野、知識分野の対策
まずは知能分野と知識分野の対策から解説していきます。
一般的な公務員試験とほとんど変わらないスタンダードな内容ですが、難易度は低めです。
したがって、 地方初級(高卒程度)もしくは地方上級(大卒程度) の過去問集を使って対策するのがいいでしょう。
公務員試験は、過去問や他の試験区分から問題を借りてくることが非常に多いので、過去問対策が最強の対策になります。
おすすめはやはり定番の「過去問350」もしくは「過去問500」です。
基本的には「過去問350」で十分ですが、万全を期すのであれば「過去問500」までやる方針でもいいでしょう。
もし「過去問500」までやる場合は、難問が多いので深追いしないよう注意してください。
まずは過去問を解いて感覚をつかみ、その上で参考書で補強する流れが鉄板です。
いずれの科目もそこまで難易度は高くないので、それぞれ1冊ずつで十分でしょう。
ちなみに参考書は必ず本屋で現物をめくりながら選んでください。
公務員試験は特に参考書によって「合う」「合わない」が大きいので、現物をみることが重要です。
私は最初、Amazonで高評価だった参考書を買って勉強していましたが、どうも合わなくて結局、本屋で中身を見ながら選んだ参考書に乗り換えました。
結果、スラスラと理解できるようになり、試験でもいい点数を取ることができました。
ですので、ネットのレビューや評価ではなく、自分の目で確かめることが重要です。
合わない参考書を使うのは、時間の無駄ですからね!
専門知識
憲法、行政法、民法、経済学、財政学、政治学、行政学、社会学、会計学、経営学の10科目の中から5問選択して回答します。
10科目ありますが、正直すべてを対策するのは勉強時間的に至難の業。
回答できるのは結局5問だけなので、3~7科目に絞って勉強するのが一般的です。
ぶっちゃけ、1問でも正解なら合格みたいな話もありますが、念のため3問は手堅く正解できるようにすれば安心です。
どれだけ勉強時間を割けるかによって勉強する科目数を決めましょう
好みにもよりますが、おすすめは憲法、行政法、財政学、社会学、経営学です。
氷河期採用に限らず、公務員試験を受ける人は科目が楽だと言います。
実際ぼくが公務員試験の勉強をしていたときも、この5科目は得意でした。
一方で民法、経済学、会計学はクセが強いので得意な人以外は難しいと思います。
大学で専攻していた、という人は選んで良いかと思います。
さて、勉強する科目を決めたら、あとは参考書を買って対策します。
いずれの科目もそこまで難易度は高くないので、それぞれ1冊ずつで十分でしょう。
専門知識の参考書も、必ず本屋で現物をめくりながら選んでください。
できれば10個の科目の参考書を全部パラパラとめくってみて、「相性がよさそうだ」「面白そうだ」と思った科目を選択するのがいいと思います。
論文
都庁の最大の関門が「論文」です。
多くの受験者が苦手とする関門なので、「論文を制するものが試験を制する」と言われています。
どんな問題が出るのか、過去の出題文を見てみましょう。
【令和5年度】
(1) 別添の資料から、都内における脱炭素化の取組をCO2排出量実質ゼロの「ゼロエミッション東京」を実現するために、あなたが重要だと考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。
【出所】試験問題の公表|試験選考情報|東京都職員採用
(2) (1)で課題に対して、都がどのような取組を進めるべきかあなたの考えを述べよ。
なお、解答にあたっては、解答用紙に(1)、(2)を明記すること。
【出所】試験問題の公表|試験選考情報|東京都職員採用
この後に「都内の高齢者の人口推移」などに関するグラフが4つ添付されています。
【令和4年度】
(1) 別添の資料から、都内における脱炭素化の取組をCO2排出量実質ゼロの「ゼロエミッション東京」を実現するために、あなたが重要だと考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。
【出所】試験問題の公表|試験選考情報|東京都職員採用
(2) (1)で課題に対して、都がどのような取組を進めるべきかあなたの考えを述べよ。
なお、解答にあたっては、解答用紙に(1)、(2)を明記すること。
この後に「都内のエネルギー消費量」などに関するグラフが4つ添付されています。
【令和3年度】
(1) 別添の資料から、東京の産業力を高め、強靭で持続可能な社会を実現するために、あなたが重要だと考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。
【出所】試験問題の公表|試験選考情報|東京都職員採用
(2) (1)で課題に対して、都がどのような取組を進めるべきかあなたの考えを述べよ。
なお、解答にあたっては、解答用紙に(1)、(2)を明記すること。
この後に「都内の産業」に関するグラフが6つ添付されています。
【令和2年度】
(1) 別添の資料から、多発する集中豪雨に対し東京の防災力を高めるために、あなたが重要だと考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。
【出所】試験問題の公表|試験選考情報|東京都職員採用
(2) (1)で課題に対して、都がどのような取組を進めるべきかあなたの考えを述べよ。
なお、解答にあたっては、解答用紙に(1)、(2)を明記すること。
この後に「都内の自然災害」に関するグラフが4つ添付されています。
以上が過去問になります!
グラフは著作権の関係上ほとんど非公開ですが、一部は見ることができますので都庁の公式サイトでご覧ください。
さて、過去問を見てみると分かる通り、論文試験は毎年同じパターンです。
(1)で、別添の資料から、あなたが重要だと考える課題を200字程度で簡潔に述べます。
(2)で、それに対して都がどのような取組を進めるべきかあなたの考えを1,000~1,500字で述べます。
一見、難しそうですが実は裏ワザがあります。
それは、「課題を先に知っておく」ことです。
どうゆうことか?
都庁としては、「グラフから都庁の課題を読み取って、都庁の取組を書いて欲しい」という思いがあります。
しかし、いざ試験の場では、グラフを正確に読み取って正しい取組を述べるのは難しいです。
本番の緊張感の中でサッとそんなことができる人は稀です。
であれば、はじめから東京都の課題と対策を知っておけば、グラフを丁寧に読み解かずとも論文をスラスラ書くことができるということです。
東京都の課題についてインプットしていない受験者の場合、グラフを丁寧に読み解いてはじめて「課題はこれだ!・・・たぶん」と認識します。
一方で、既に課題をインプットしている受験者はグラフを軽く読んで、「ああ、あの課題を裏付けるための資料ね。それなら都庁はこの対策をすべきだよね」とサラッと書くことができます。
ですので、「東京都が抱える課題と対策」をインプットすることで、安定して論文を攻略できるようになります。
では、どうやって東京都の課題や対策をインプットすればよいのでしょうか?
色々な方法がありますが、オススメなのが「特別区の課題と対策をインプットする」ことです。
特別区とは、港区や世田谷区といった東京23区の正式名称です
東京都には様々な市区町村がありますが、財政、人口、行政すべての中心は特別区(東京23区)です。
ですので、特別区(東京23区)の課題と対策を押さえておけば、東京都を押さえたというっても過言ではありません。
つまり、特別区(東京23区)の論文対策を使うことで東京都庁の対策もできてしまうということです。
では、具体的にどうやって対策するかというと、近年の公務員試験では、論文の模範解答を使って対策するのがメジャーになっています。
なぜならば、模範解答をインプットすれば、試験本番でアレコレ考えずに最短で解答を書けるからです。
しかも、論文の勉強時間を大幅に短くできます。
特別区の模範解答の中でダントツ好評価なテキストはこちらになります。
東京都庁の氷河期世代採用の論文は対策のしようがないと言われていますので、こうした裏ワザで一気に差をつけることができます。
論文はその時のコンディションや出題テーマによって大きく点数が揺らぐ科目なので、模範解答をいくつも覚えておくことで非常に安定しますよ!
また、特別区の論文対策をすれば、当然ながら特別区の氷河期採用の対策もできてしまいます。
ぼくのオススメとしては、都庁を受ける方はぜひ特別区の氷河期採用も併願して欲しいです。
なぜならば、試験科目が同じなので無駄がないからです。
特別区は教養・論文・面接なので、東京都庁よりもカンタンです
なにより、特別区の氷河期採用の方が試験日が早いので腕試しになります!
ぶっつけ本番で都庁を受けるよりも、特別区で慣らせますので非常にオススメです。
東京都庁就職氷河期世代採用試験(Ⅰ類B)2次試験は面接2回
2次試験では個別面接を2回行います。
しかも、同じ日の午前と午後に1回ずつ行います!
ちょっとしんどいかもしれませんね汗
ちなみに、1次試験と2次試験の総合成績で合否が決まりますので、面接に苦手意識がある方は論文で稼ぐという戦略がおすすめです。
面接の秘訣
さて、そんな重要な面接ですが攻略の秘訣があります。
それは、東京都庁が公表している、求める人材像に合致する人材だとアピールすることです。
なぜならば、公務員組織は「公表している事柄」についてかなりキッチリ忠実に実行しなければならないからです。
説明責任があるからですね
人事採用でも例外ではなく、公表している「求める人材像」は人事担当者に強くインプットされており、「求める人材像」に沿って忠実に採用をします。
このように「求める職員像」は知っているだけで切り札になるほど重要な情報なのに、社会人採用試験の場合、ほとんどの受験者は把握していません。
したがって、これを知っているだけで多くの受験者を軽々追い抜くことができます。
では、東京都庁はどんな人材を求めているのか見てみましょう。
これらは非常に重要なので、必ず覚えておいてください。知っているかどうかで非常に大きな差が生まれます!
なぜならば、「求められる職員像」=「採用したい人材像」なので、面接では上記の能力を発揮した経験を述べることで大きな評価に繋がるからです。
これに加えて、公務員試験でありがちな質問を一通り押さえておけば完璧です!
定番の質問を押さえ、求められる職員像をインプットするのは公務員試験の定石です。
しかし、氷河期世代採用の場合はそうした定石を知らない受験者がほとんどです。
こらに加えて最低限、都庁の政策についてもざっと目を通しておくと完璧です。
ぜひともここで学んだ内容を活かしてライバルを追い抜いてください!
東京都庁就職氷河期世代採用試験(Ⅰ類B)のまとめ
数ある公務員職のなかでも、東京都庁は非常に優良です。社会的信用が高く、生涯にわたって安定した生活ができます。
倍率がやや高いように見えますが、多くの受験者は付け焼き刃の対策で挑んできます。
この記事で少しでも論文や面接のコツを掴めたのならば、それだけで大きなリードです。
最後に、合格まで王道パターンをまとめます。
- 教養試験は「過去問350」(余裕があれば「過去問500」)を使う。市販の参考書を立ち読みして自分にあったもので勉強する
- 論文試験は「特別区の論文模範解答集」を使って、東京都の課題・解決策をインプットする
- 面接試験は「求められる職員像」をインプットし、「面接模範解答集」で補強する
自信を持っておすすめできる自治体なので、ぜひトライしてみてください!
それでは、あなたの合格と幸せな未来を願っています!