なんか趣味で始めたサイトなんですが、思ったより反響が大きく、「このサイトのおかげで合格できました!」というメールをたくさん頂いてうれしいです!
さて今回は、横浜市の社会人経験者採用について解説します。
横浜市は、新卒、社会人ともに非常に人気の自治体です。
「横浜」という魅力的なフィールドで働けるだけではなく、給料や福利厚生もトップクラスに充実しているからです。
私の友人も横浜市役所で働いていますが、「将来の不安が無く、ワークライフバランスが充実している」と話しています
そんな横浜市ですが、全国自治体のなかでも特に社会人採用を積極的に行っています。
ですので、「チャレンジしてみよう!」という方が多いのですが、実際は「何をしたらいいのか分からない・・・」というのがホンネだと思います。
私も民間企業(ブラックIT企業)から公務員に転職した身ですが、とにかく情報が少なくて苦労しました・・・
そこでこの記事は、付け焼き刃ではなく盤石な対策で臨めるように「横浜市社会人採用試験 事務職(一般的な公務員)」の内容と対策について徹底解説します!
これを読めば他の受験者と大差をつけることができると思います。
横浜市役所社会人採用の受験資格は非常にシンプル
中途採用は何かと条件が厳しいことが多いですが、横浜市社会人採用の場合は満たすべき受験資格はたった2点です。※「禁錮中ではない」など当たり前の要件は除く
「民間企業等における職務経験」は、週 30 時間以上の勤務を2年以上継続し、これらの経験が通算で5年以上であることを要します。
つまり、5年間連続した経歴がなくても、合算して5年以上ならOKです。
「職務経験」は会社員のほかに、自営業者、アルバイト、パートタイマー、公務員等としての経験も該当します。また、財団法人、社団法人、NPO法人等の経験も含まれます。
バイトやパート経験でもOKなんだ!
これは、横浜市社会人採用が職務経験よりも人物重視しているからです。
後ほど解説しますが、横浜市は面接重視の試験なので経歴よりも人柄を見ています。
輝かしいキャリアが無くても不利にならない点が、他の社会人採用とは大きく異なるポイントです。
なお、「青年海外協力隊等としての活動経験」には、日系社会青年ボランティアとしての経験のほか、非営利団体を通じ、海外での国際貢献活動に従事した経験も含みます。
初任給
初任給は学歴、職務経験年数に応じて変動します。
目安として以下の通り示されています。
経歴 | 初任給 |
---|---|
大卒、職務経験10年 | 263,436 円程度 |
大卒、職務経験18年 | 303,804 円程度 |
もちろん他にも、ボーナスはしっかりと支給されますし、通勤状況、住まいの状況などに応じて、通勤手当、住居手当などが支給されます。
また、横浜市職員だけが使える福利厚生がいくつもありますので、合格したらぜひ使い倒してください!
横浜市役所社会人採用の試験スケジュール
例年、6月に選考案内が始まり、12月に最終合格発表が出されます。
約半年の勝負だね!
令和5年度のスケジュールを参考に採用内定までの流れを見ていきましょう。
- 6/22受験案内公開
- 6/22~7/19受験申込期間
- 原則インターネット申込。
- 「エントリーシート」を提出する。
- 最終日は午前10時まで受信有効なので注意!
- 9/241次試験
試験(事務職) 時間 内容 教養(択一式) 120分 40題必須回答 課題式論文 60分 750字以内 ※ただし、1次試験の合否は教養のみで行われる。論文は2次試験の合否に使われる。
- 10/61次試験合格発表
- 10/21~282次試験
個別面接
- 11/102次試験合格発表
面接の成績と1次試験で書いた論文の成績で合否が決まる
- 11/23or253次試験
個別面接
- 12/8最終合格発表(採用内定)
1次試験、2次試験、3次試験すべての総合点で合否が決まる
長丁場ですが、意外とあっと言う間です!
横浜市役所社会人採用の倍率
横浜市は人気の自治体なので、倍率はやや高めです。
しかし実際は、対策なしでぶっつけ本番の人や記念受験が多いため、実質倍率はかなり低いようです。
年度 | 倍率 |
---|---|
令和4年度 | 12.6 |
令和3年度 | 28.2 |
令和2年度 | 20.5 |
令和4年度から採用人数が増えたので倍率が一気に下がりました!
また、それぞれの試験段階によって合格率が異なります。
1次合格率 | 2次合格率 | 3次合格率 | |
---|---|---|---|
令和4年度 | 39.9% | 43.4% | 45.9% |
令和3年度 | 33.9% | 28.0% | 37.5% |
令和2年度 | 22.2% | 47.6% | 46.3% |
どの段階でも半分以上が脱落しています。
令和2年度までは1次試験(教養)が最大の難所でしたが、令和3年度から2次試験(論文、面接)が最も重視されるようになりました。
したがって、2次試験(論文、面接)に重きを置いた対策が必要です。
横浜市役所社会人採用のエントリーシート傾向と対策
受験申込はwebから行います。
その際に、個人情報や職歴の他にも、エントリーシートの提出も求められます。
エントリーシートが提出できなければ受験申込できないので注意してください。
個人情報や職歴以外に書かなくてはならない項目は次の通り。
- セールスポイント:簡潔に入力してください(複数可)。
- 改善したいところ:簡潔に入力してください(複数可)。
- 自己啓発活動 :簡潔に入力してください(複数可)。
- 趣味・特技 :簡潔に入力してください(複数可)。
- 志望理由 :200 字以内、5行以内で簡潔に入力してください(箇条書きでも可)。
- 最も職務上のスキルや専門性を生かした(又は身に付けた)勤務・活動経験
- 「勤務・活動先(会社・団体名」、「担当業務」及び「自身の役割」:25 字以内
- 「担当業務の内容」、「業務遂行上の課題」及び「上記課題解決のプロセスや実績」:170 字以内、簡潔に入力してください(箇条書きでも可)。
これらの内容は面接の参考として使われるので、面接を見越して書く必要があります。
なお、念のため必ずスクリーンショットか印刷はしておいてください!
また、提出後の修正は認められません。
したがって、焦って出すのではなくじっくりと練り上げてから納得行くものを提出してください。
横浜市役所社会人採用1次試験の傾向と対策
第1次試験の内容は次の通りです。
試験 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
教養 | 択一式40問 | 120分 |
論文 | 与えられた課題に対する論文 | 60分 |
注意したいのが、1次試験の合否は教養試験の成績のみで決まる点です。
論文は1次試験の合否には関係ありません!
1次試験の場で論文は書かせますが、論文の成績は2次試験の合否に使われます。
筆記試験はまとめて1次試験の会場で終わらせてしまいたい、横浜市側の都合です。
とはいえ受験者からするとそんなことは関係なく、当日までに教養試験も論文試験も仕上げておく必要があります。
次の表をご覧ください。
教養 | 論文 | 2次面接 | 3次面接 | 総合点 | |
---|---|---|---|---|---|
1次試験 | 410 | – | – | – | 410 |
2次試験 | – | 100 | 200 | – | 300 |
3次試験 | 15 | 15 | 30 | 600 | 660 |
これは、それぞれの試験段階で考慮される点数です。
3次試験(最終試験)では教養と論文が共に15点ずつ割り振られています。
微々たる点数かと思うかもしれませんが、倍率が高い横浜市社会人採用では面接が同点になることが多いので、教養と論文の成績が合否を分ける要因になりえます。
教養試験
一般的な公務員試験とほとんど変わらないスタンダードな内容ですが、難易度は低めです。
したがって、 地方初級(高卒程度)もしくは地方上級(大卒程度) の過去問集を使って対策するのがいいでしょう。
公務員試験は、過去問や他の試験区分から問題を借りてくることが非常に多いので、過去問対策が最強の対策になります。
おすすめはやはり定番の「過去問350」もしくは「過去問500」です。
基本的には「過去問350」で十分ですが、万全を期すのであれば「過去問500」までやる方針でもいいでしょう。
もし「過去問500」までやる場合は、難問が多いので深追いしないよう注意してください。
まずは過去問を解いて感覚をつかみ、その上で参考書で補強する流れが鉄板です。
いずれの科目もそこまで難易度は高くないので、それぞれ1冊ずつで十分でしょう。
ちなみに参考書は必ず本屋で現物をめくりながら選んでください。
公務員試験は特に参考書によって「合う」「合わない」が大きいので、現物をみることが重要です。
私は最初、Amazonで高評価だった参考書を買って勉強していましたが、どうも合わなくて結局、本屋で中身を見ながら選んだ参考書に乗り換えました。
結果、スラスラと理解できるようになり、試験でもいい点数を取ることができました。
ですので、ネットのレビューや評価ではなく、自分の目で確かめることが重要です。
合わない参考書を使うのは、時間の無駄ですからね!
論文
横浜市社会人採用の山場が論文です。
多くの受験者が苦手とする関門なので、論文を制するものが試験を制すると言われています。
横浜市では、与えられたテーマについて、あなたの経験をどのように生かすことができるのか750字以内で論じます。
過去の出題文は以下の通りです。
【令和4年度】
現在、私たちの暮らしのあらゆる場面においてデジタル化が浸透しており、行政手続においても、より快適なサービスが求められています。
横浜市試験問題例・過去の出題(社会人採用試験)より(https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/saiyo-jinji/saiyo/saiyo-info/kako/r01-rei-kako-syaka.html)
このような社会情勢を踏まえて、デジタル化の推進に向けて横浜市が取り組むべきことは何
か、あなたの考えを述べなさい。
【令和3年度】
近年、感染症の影響等によって人々の不安が高まる中、市民の暮らしを守り支えるために、
横浜市試験問題例・過去の出題(社会人採用試験)より(https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/saiyo-jinji/saiyo/saiyo-info/kako/r01-rei-kako-syaka.html)
横浜市にどのような取組が求められているか。また、その中であなたの経験をどのように生か
すことができるか、述べなさい。
【令和2年度】
横浜市では、生産年齢人口の減少が続き、財政需要の増大と税収減少が中長期的に見込まれています。この課題に対し、行政としてどのような取組が必要か、また、これまでのあなたの経験をどのように生かすことができるか、述べなさい。
横浜市試験問題例・過去の出題(社会人採用試験)より(https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/saiyo-jinji/saiyo/saiyo-info/kako/r01-rei-kako-syaka.html)
【令和元年度】
市民ニーズや地域の抱える課題は複雑化・多様化しており、行政だけの力では様々な課題への対応が難しくなっています。そのような中で、市民満足度の向上を図るためには、行政としてどのような取組が必要か、また、これまでのあなたの経験をどのように生かすことができるか、述べなさい。
横浜市試験問題例・過去の出題(社会人採用試験)より(https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/saiyo-jinji/saiyo/saiyo-info/kako/r01-rei-kako-syaka.html)
例年、一般的な行政課題に対して、これまでの経験をどう生かせるのか、あなたの考えを述べるよう求められています。
課題に対する理解と、あなたの経験、そしてそれをどう生かすのか、750字以内にコンパクトにまとめる必要があります。
一見難しそうですが、中途採用は他の受験者の論文のレベルがそこまで高くないので、「落ちない」論文を書ければ大成功です。
落ちない論文を書くには、公務員試験の「経験者論文の型」を知ることが何より重要です。
「型」さえ知っていれば、大きく外れた論文を書くことはないからです!
「型」は定番のテキストがあるので、こちらで手本を見ながらインプットしましょう。
論文は試験本番のコンディションに左右されて不安定になりがちですが、「型」をバッチリ身に着けることで安定した論文を書けるようになります!
横浜市役所社会人採用2次試験の傾向と対策
2次試験では個別面接を一回行います。
1次試験の時に行った論文の点数と合算して2次試験の合否が決まりますので、面接に苦手意識がある方は論文で稼ぐという戦略がおすすめです。
ちなみに論文100点、面接200点の計300点です。
2次試験の面接は、主にこれまでの経験を問われます。
注意したいのが、受験申込時に提出した「エントリーシート」と矛盾が無いようにすることです。
矛盾があると大きなマイナスです!
公務員は誠実さが重要ですので、経歴に矛盾があってはなりません。
面接の秘訣
さて、そんな重要な面接ですが攻略の秘訣があります。
それは、横浜市が求める人材像に合致する人材だとアピールすることです。
なぜならば、公務員組織は「公表している事柄」についてかなりキッチリ忠実に実行しなければならないからです。
説明責任があるからですね
人事採用でも例外ではなく、公表している「求める人材像」は人事担当者に強くインプットされており、「求める人材像」に沿って忠実に採用をします。
このように「求める職員像」は知っているだけで切り札になるほど重要な情報なのに、社会人採用試験の場合、ほとんどの受験者は把握していません。
したがって、これを知っているだけで多くの受験者を軽々追い抜くことができます。
さて、横浜市が求める職員像は「ヨコハマを愛し、市民に信頼され、自ら考え行動する職員」です。
具体的には、「市⺠に貢献する仕事に誇りと⾃信を持ち、誠実・公正に⾏動し、課題解決に向けて主体的に取り組む」
とされており、詳しくは次の通り定義されています(横浜市人材育成ビジョン・研修計画より)。
これらは非常に重要なので、必ず覚えておいてください。知っているかどうかで非常に大きな差が生まれます!
なぜならば、「求められる職員像」=「採用したい人材像」なので、面接では上記の能力を発揮した経験を述べることで大きな評価に繋がるからです。
これに加えて、公務員試験でありがちな質問を一通り押さえておけば完璧です!
横浜市役所経験者採用3次試験の傾向と対策
個別面接の一発勝負です。
ここを突破すればついに採用内定!
合否は1次試験~3次試験のすべての成績で決まります。
総合点 | 教養 | 論文 | 2次面接 | 3次面接 |
---|---|---|---|---|
660 | 15 | 15 | 30 | 600 |
正直、ここまで残った受験者は全員レベルが高いので、ほんのわずかな差で合否が決まります。
したがって、論文の成績や2次面接の僅かな点数が合否を左右することもあります。
2次面接と同じく、横浜市に求められる職員像「ヨコハマを愛し、市民に信頼され、自ら考え行動する職員」を意識することがコツです。
求められる職員像は、意外としらない受験者も多いので、知って意識するだけでかなりリードできます。
ここでおさらいしておきましょう。
面接ではすべての回答で上記を意識してください。
求められる職員像から逆算して面接を組み立てるのは公務員試験の定石です。
しかし、社会人採用の場合はそうした定石を知らない受験者がほとんどです。
また最低限、横浜市の政策についてもざっと目を通しておきましょう。
ぜひともここで学んだ内容を活かしてライバルを追い抜いてください!
予備校に通う必要はあるか?
結論から言うと、ほとんどの人にとって予備校は必要ありません。
実際に、中途採用された私の友人や知り合いの中で、予備校に通っていた人はいません。
理由としては、「予備校よりも優れた教材が市販されている」こと、「仕事をしながら予備校に通うのは時間の無駄」であることが挙げられます。
予備校はどうしても自社オリジナルのテキストを使わなければなりませんが、昨今は書籍やnoteなど市販の教材のほうがクオリティが高いんです。
また、中途採用は仕事をしながら勉強することが多いと思いますので、わざわざ予備校に通って授業を受けるのは非常に手間です。
予備校のメリットである「わからないことを聞ける」というのも、今ではインターネットで調べればほとんど解決します。
かく言う私も予備校に通わず合格できましたので、自信をもって予備校はいらないと断言できます。
ただし、時間とお金に余裕があって市販の教材では満足できない人は予備校を検討してみるといいかもしれません。
横浜市役所社会人採用のまとめ
数ある公務員職のなかでも、横浜市は非常に優良です。社会的信用が高く、生涯にわたって安定した生活ができます。
倍率がやや高いように見えますが、多くの受験者は付け焼き刃の対策で挑んできます。
この記事で少しでも論文や面接のコツを掴めたのならば、それだけで大きなリードです。
最後に、合格まで王道パターンをまとめます。
- 教養試験は「過去問350」(余裕があれば「過去問500」)を解いて感覚をつかみ、市販の参考書で補強する
- 論文試験は「職務経験論文の模範解答と解き方」で「型」を身に着ける
- 面接試験は「求められる職員像」をインプットし、「面接模範解答集」で補強する
自信を持っておすすめできる自治体なので、ぜひトライしてみてください!
それでは、あなたの合格と幸せな未来を願っています!